語坊|ユファン

横須賀・三浦を中心に活動する朗読ユニット「語坊(ユファン)」のウェブサイトです。

uta_202305

誰か故郷を想わざる
西条 八十 作詞  古賀 政男 作曲


1 花摘む野辺に  日は落ちて みんなで肩を 組みながら 唄をうたった帰り道
  幼なじみのあの友 この友  ああ たれか故郷を 想わざる 

2 ひとりの姉が 嫁ぐ夜に 小川の岸で さみしさに 泣いた涙の なつかしさ
  幼なじみのあの友 この友  ああ たれか故郷を 想わざる 

3 都に雨の 降る夜は 涙に胸も しめりがち とおく呼ぶのは たれの声 
  幼なじみのあの友 この友  ああ たれか故郷を 想わざる



「花摘む野辺に・・・・・・」で浮かんできたこの歌。
朝の散歩みち、緑に敷き詰められた小草の中、たんぽぽ、クローバーに混じってアカバナ、ブタクサ。
摘み草したい花々が散らばっている。
たんぽぽの黄色、クローバーの白、アカバナの濃いピンク、すっと伸びた針金のような緑の茎の上に咲くブタクサの黄色。
もう夏が来たのだと暦にいう立夏。
緑の中の色とりどりが心湧きたつ。
少し目を上げるとそこにも緑。
あるのは白く小さい真ん丸蕾の卯の花の房ふさ。

この歌はさみしい歌。
古賀政男が7歳から明治大学予科に入るまで過ごした朝鮮時代の様子を、西条八十に話したところ出来上がった歌とか。
戦争時代によく歌われたとも聞くが、「幼なじみのあの友 この友  ああ たれか故郷を 想わざる」
いつの世も人は「幼なじみのあの友 この友  ああ たれか故郷を 想わざる」。
そして故郷は「咲く花」と「歌」。

20230413
楽しい会でした。
語坊も参加者朗読に触発されたように?しっかりと作品お届けいたしましたよ。
「今までそうではなかったの」
「いえいえ、そんなことはありません。」
皆さんそれぞれの作品をそれぞれ熱心におきかせくださるその情熱に気を入れられること大ですとお伝えしたいのです。

自分で作品を選び朗読するお聞かせするという形はとても楽しいこと。
半面どうしても選びに読みに偏りが出てくる。
冒険心も向上心も穏やかに影を潜め「個性」「特徴」というのに落ち着いてしまうことあり勝ち。
そこで燃えている方々の「朗読」「絵本読み聞かせ」「素話」などなどお聞きすると火が付く。

「群読」というのも楽しかったです。
「こうしたらできるのでは」
「こうすればうまくいくのでは」
のってのって提案が次々と出て「もういちど」「もういちど」「わーうまくいった」
思わず拍手と笑顔。


次回は6月13日(火)13時半からの開始です。
その頃になりましたら前もってのご連絡よろしくお願いいたします。

語坊事務局 090-9308-3829

uta_202304

リンゴ追分
小沢不二夫 作詞  米山正夫 作曲


リンゴの花びらが 風にちったよな    月夜に 月夜に そっとええええ

津軽娘は泣いたとさ  つらい別れを 泣いたとさ

リンゴの 花びらが   風にちったよな  ああああ


お岩木山のてっぺんを 綿みてえな白い雲が ポッカリながれてゆき
桃の花が咲き 桜の花が咲き そっから 早咲きのリンゴの花ッコが咲く頃が
おら達の一番たのしい季節だやな

だども やっぱり 無情の雨こさ降って 白い花びらを散らす頃
東京さで死んだお母ちゃんのこと思い出すって、
おらあ、おらあ・・・・・・


津軽娘は泣いたとさ つらい別れを 泣いたとさ

リンゴの 花びらが 風にちったよな ああああ



何だかしんみりしてしまう。追分節の特徴は悲哀を帯びる。
津軽平野、今はリンゴ追分に歌われる季節か。

一面手入れされたリンゴの木がきっちり整列して広がっている。
花咲く枝には緑の葉が色を添え、その上は青空、遠く見える山波はまだ雪を残している。
春風は春を連れて来ていても、まだ頬にひんやりあたる。

ふわりやわらかな襟巻がほしい、いや三角のマフラーをか。

あああ・・・・・・・飛んで行きたいな故郷 東北津軽。

小沢不二夫氏は(1912/6/13-1966/5/5)東京生まれ。劇作家、小説家、作詞家です。

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