じっと落ち着いて、なるべく家にとどまっていなくてはいけませんこの頃ですが、いかがお過ごしでしょう。
九月も半ばになりました。
もうすぐ秋の真ん中です。

若かりし頃、「彼岸花は、春の彼岸か秋の彼岸かどちらの彼岸に咲くか」なんて、友人たちとわいわい言い合ったことがありました。
今ならすぐわかります。

この時を待っていましたとばかりツンと芽を出し、次の日にはその先を赤く染め、あれよあれよという間に、茎はすっとすっきり伸び、あっという間にとじた指を広げたように花が開きます。
指の先々に一つずつの花。
つんつんとした細長い花びらと、そこを飛び越えて伸びる何本もの蕊。
今です。彼岸花が咲くのは。
「秋の彼岸」です。
葉はあとから「ここに僕たちの花が咲いたんだ」というかのように、花が咲き終わると出てきます。

彼岸花の球根には毒があって、モグラたちに作物を荒させないようにしているのだとか。
畦や土手に彼岸花は群れてよく咲いています。
少しずつ姿を消しつつあるように見えますが。

ご挨拶に合わせて一つお話を入れてみました。
「三浦半島 ふるさとのむかし話 ― 母は語りべ ―」より「おまんぎつね」です。

■おまんぎつね



この後、「語坊の声」もお聞き下されたし。「山椒大夫」声にしてみました。