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楽曲  「早春賦」
吉丸一昌 作詞  中田 章 作曲

♪ 春は名のみの 風の寒さや   谷の鶯 歌は覚えど

時にあらずと声も立てず 時にあらずと声も立てず


♪♪ 氷とけ去り 葦は角ぐむ さては時ぞと 思うあやにく

今日も昨日も雪の空 今日も昨日も雪の空 


♪♪♪ 春と聞かねば 知らでありしも 聞けばせかるる 胸の想いを

いかにせよとのこの頃か いかにせよとのこの頃か
 

余りにも有名なこの一曲。

 

詞の中にはこの立春の時の全てが込められ、曲からはこの時期の

見えないけれど見えてくるかに、こころの裡があふれてきます。



大分県出身の吉丸一昌氏は1873年のお生まれ、中田章氏は1886年東京のお生まれ。 

この詞は長野県安曇野、穂高の雪解けの風景を吉丸一昌氏が見られ、作られたと伝わっています。



雪解け、春立つ頃、立春。

この立春、前日は節分、88日経つと茶摘みの頃。

この歌から、季節のめぐりは始まるようではないですか。

 

余談ですが、中田章氏は日本最初のパイプオルガン奏者、息子さんのおひとり中田喜直氏は「夏の思い出」の作曲者として知られる方。


又、吉丸一昌氏は教育者としても多くのお働きがあります。

「尋常小学校唱歌」の編集委員、作詞委員会の長としてのお働きのみでなく、個人的にも、財を投げうち人を育てる「教育者」であられたようです。


息子さんの昌直氏は牧師となられ、讃美歌第二編の編集に長として携わられたと記録されています。


モーツァルトの「春の憧れ」森繁久彌の「知床旅情」につながる話題も興味わく「早春賦」です。


「賦」の意味も。