五月、宇宙ステーションに滞在の飛行士の方々や、オリンピックのゼウス神に意識は向かいもしましたが、今この地上の現状から受け止めた曲は、「ジュピター」。
ジュピターは木星の事です。

グスターブ・ホルスト(1874/9/21-1934/5/25 イギリス生まれ)は、管弦楽のための組曲「惑星」を作曲しました。2年かけてといわれています。

地球を除いた太陽系の6つ惑星、戦いをもたらす火星、平和をもたらす金星、翼のある使者の水星、快楽をもたらす木星、老いをもたらす土星、魔術師天王星、神秘主義者海王星という、夫々の惑星の持つ意味を表現し、組曲として作り上げたと聞きます。
その中、第4番目に作られたのが、太陽系最大の惑星の「ジュピター(Jupiter the Bringer of Jolity)」。
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ある時、外交官であったセシル・スプリング・ライスの詩に曲を付けよという時、ジュピターの一部をホルストは用いました。
ライスの詩は第一次世界大戦後、失われた祖国、犠牲者への愛を主題にしたもので「I vow to thee、my country(祖国よ、我は汝に誓う)」と歌いだされます。
好評を得て「イギリスの愛国歌」となります。
更に、この使用された部分はイギリス国教会聖歌としても用いられ、故に独立した曲のように「サクステッド」ともよばれるようになったとか。

ダイアナ妃お気に入りの曲でもあり、ラグビーワールドカップのテーマソングにもなってい、スケーター浅田真央さんはある時のエキシビションで、この曲にのり演技しましたと。

分類された「サクステッド」に則して「ジュピター」として日本語でも詩がつけられました。「教会福音讃美歌245番」にも使われています。

日本での「ジュピター」の詞は岩谷時子氏、吉本由美氏の作品をよく耳にします。
岩谷時子氏の「ジュピター」は・・・・・・
楽曲「ジュピター」
グスターブ・ホルスト 曲

あたしに涙ふかせて 泣きたいときには泣きましょう
かなしみ知らない人はいない  嘆き 乗り越えて生きていくの

空を見上げて船を出しましょう しぶきあげながら 空見あげよう
はるか彼方に星がある 闇に隠れてるあの星こそ
暗い夜 空の王様 あなたを守る星よ 木星ジュピター 

やがて明るい朝が訪れ 地球の上の夜が明けるわ 
あなたは微笑み浮かべ あしたから新しい人生よ

かなしみ知らない人はいない 嘆き 乗り越えてゆく 
平和な世界を みんな手をつないで 生きて行こう

(岩谷時子 詞)


「教会福音讃美歌245番」は「どんな人生に出会うとしても勝利を望み 忍び耐えて、神に心高くあげ、喜び仰ぎつつ賛美します」というような内容の歌詞です。


昼は新緑の中、夜は天を仰ぎつ、日々の営みに平安の在らんことを願ってやみません。

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