
からすの赤ちゃん
海沼 実 作詞・作曲
からすの赤ちゃんなぜ泣くの
こけこっこのおばさんに 赤いお帽子ほしいよ 赤いお靴もほしいよ と
かあかあなくのよ
めえめえ山羊さんなぜ泣くの
お里のかあさんに おねむになったよ 甘いおっぱい頂戴ね と
めえめえなくのね
迷子の鳩さんなぜ泣くの
みみずくおじさんに 夜道は怖いよ ほうずき提灯かしとくれ と
ほろほろなくのね
狐の赤ちゃんなぜ泣くの
三日月おばさんに 木の葉でかんざし買っとくれ
小石で花ぐし買っとくれ と
こんこんなくのね
童謡ですね。
「音羽ゆりかご会」の創設者でもある海沼 実氏の作詞。
おもに作曲家として功績ありの方。
詞まで作ったのは行きがかり上ということであったとか聞きますが、そこは童謡を育てられた方、こんなお歌ができました!ということでしょうか。
詩人の三苫やすし(1910-1949)というかたの「なぜ啼くの」という作品に惹かれて作られたとか。それもご自身の曲を没にすることの無いために。
なかなかしたたかな裏話があるそうです。
三苫やすし氏の作品では、まず「からす」そのあと、「田圃の蛙」「牧場の子馬」「かわいいお人形」の「啼き」が続きます。
海沼 実氏は1909年(明治42年)1月31日生まれ、1971年(昭和46年)6月13日亡。
多くの童謡を残されました。
「この歌を聞くと涙が出る。なかなか聞かなくなったけど、聞きたい歌いたい歌なの」と
リクエストがありました。
「なぜ啼くの?」
仲よし生き物たちの声をよく聴き、書いていくのも一興でしょうか。